為替相場に影響を与えるもの(2)
複数の要因(2)
2国間の資本移動という要因もあります。通常、たくさんの資金が入ってくる国の通貨は買われやすく、通貨は高くなります。2国のどちらかに多くの資金が流れるかで、為替相場は変動します。短期的に、時には中期的に影響を与えます。
2国間の資本移動のケースとしては、たとえば、投資する価値の高い国への多額の資金移動や、その逆で投資する価値の低い国への資金移動、海外企業などによる企業買収、M&A、不動産投資など様々なものがあります。
また、為替介入という要因についても説明したいと思います。急激な円高は、輸出を主とする企業の収益や景気にも大きなダメージを与えます。その対策として、政府や日本銀行はたくさんの円を売り、ドルを買うといった手法で、一定水準を超える円高を防ごうとします。
ですが、いまのところ、円・ドル相場に大きな影響を与えている貿易収支や実質金利の格差が主な円高要因となっているので、一定の為替水準に近づくと、為替介入があることを想定して、一時取引を控えることはあっても、効果はあまり期待できません。
ヘッジファンドの動向もまた、基本要因のひとつです。ヘッジファンドとは、アメリカの私的な投資組合の一種で幅広い商品に多額の資金をまとめて投資するという特徴をもっています。為替市場でヘッジファンドが巨額の資金で取引することで、予想以上の為替変動があったり、中長期的にそのような状態が続いたりします。
原油価格の変動も、為替市場に大きな影響を与えています。原油価格が上がると、原油の生産国には経済的な利益がもたらされますが、原油の輸入国は輸入代金の増加によって、輸入国の通貨は輸出国の通貨に対して安くなりがちです。大幅で中長期的な原油価格の上昇は、日本にしてみれば円安要因となり、また、貿易黒字の大幅な減少にもつながると言われています。
また、紛争に直接、あるいは間接に関与している国が、関与の度合いによって起こる社会的負担の拡大、テロの脅威などに面するリスクのことを、地政学的要因と呼びます。これは、世界の為替市場やテロの関与国、主要国の為替レートにも大きな影響を与えます。
以上、為替相場は主に8つの要因で変動しやすくなりますので、気をつけたいところです。